先日、西武池袋に新しくオープンしたマリアージュ フレール池袋店に行ってきました。
きっかけは後輩との何気ない会話から。
「最近、紅茶が気になってて……おすすめありますか?」
そんな一言に、紅茶好きの血が騒いでしまって(笑)
「じゃあ本物を体験してみよう!」という流れで、
2025年9月オープンしたばかりの西武池袋B1Fのマリアージュ フレールへ足を運びました。
🏬 西武池袋B1Fに9月オープンした紅茶の美術館

マリアージュ フレール西武池袋店は西武池袋本店B1Fの食品フロア「西武食品館」にあります。
すぐ隣には、同じく英国紅茶ブランドのフォートナム&メイソンが並び、紅茶好きにはたまらないエリアです。
JR線・有楽町線・東武東上線の改札からアクセスする場合は、
「南口〈クラブ・オンゲート〉」方面のエスカレーターを上がって右方向へ進むとすぐ見つかります。

詳細はこちらを参照ください。
店舗自体は大きくはないものの、ひとたび足を踏み入れると別世界。
壁一面にずらりと並ぶ黒のティーキャニスターが壮観で、
ゴールドのロゴが照明に反射して輝く様子はまさに“香りの美術館”のようでした。
天井の高さや空間のゆとり、照明のやわらかさが相まって、
紅茶の香りがふわっと漂うだけで空気が変わる。
一歩進むごとに香りが移り変わり、五感が研ぎ澄まされていくような感覚でした。
💎 高級紅茶店マリアージュ フレールの世界へ

マリアージュ フレールは、1854年創業のフランス最古の紅茶商のひとつ。
“紅茶を芸術に”をコンセプトに、パリの老舗ホテルやミシュランレストランでも愛されているブランドです。
日本でも知名度が高いのは「マルコポーロ」。
「マルコポーロ」をはじめ、人気の数種類はムスリーヌと呼ばれるティーバッグタイプでも販売されています。
ただし、ほとんどの紅茶はリーフティー(茶葉)販売が中心です。
価格は茶葉によって50g・100g単位で異なりますが、おおよそ3,000円〜6,000円前後。
中には1万円を超える限定茶葉もあります。
紅茶好きの私から言わせてもらうと、
“世界に通用する高級紅茶”を自宅で味わえると思えば、5,000円はむしろ安い。
100gで約40杯分。1杯あたりに換算すると400円ほど。
カフェで1杯飲むのと変わらない価格で、好きな時間に、好きな香りで楽しめる。
それがマリアージュ フレールの魅力です。
🍂 香りで巡る世界。圧倒のラインナップ

店内でまず圧倒されたのは、壁一面のティーキャニスター。
店員さんが一つひとつ手に取り、
「こちらは桜の木で燻した紅茶なんですよ」
「このダージリンは2025年のファーストフラッシュです」
と、蓋をパカッと開けて香りを嗅がせてくれます。
試飲は行っていませんが、香りだけで十分に個性が伝わる。
“香りの旅”をしているような感覚で、時間を忘れてしまうほどでした。
🍓 フレーバードティー:香りの芸術品たち

後輩に「おすすめの紅茶ってありますか?」と聞かれ、
私がまず紹介したのが、マリアージュ フレールの代表作「マルコポーロ」でした。
花と果実の甘い香りが調和した、まさに“香りの芸術”。
初めて嗅ぐ人でも思わず笑顔になる、ブランドを象徴する一杯です。
店員さんも「やはり最初におすすめするのはマルコポーロですね」と微笑みながら、ティーキャニスターを開けて香りを嗅がせてくれました。

マリアージュ フレールの世界は、マルコポーロだけでは終わらない。
- ボレロ:桃とアプリコットのやわらかな甘み。アイスティーにすると心まで晴れるよう。
https://www.mariagefreres.co.jp/view/item/000000001011?category_page_id=ct152 - ウェディング インペリアル:キャラメルとチョコレートの香りが贅沢。ミルクティー好きにおすすめ。
- ローズ ド マリアージュ:バラの花びら入り。香水のようにエレガントで上品。
- SAMURAI:アールグレイにゆずを思わせる柑橘の香りをプラス。日本らしい凛とした香り。
https://www.mariagefreres.co.jp/view/item/000000000749
どの茶葉も、香りだけで“情景”が浮かぶほど印象的でした。
香りを嗅いでいると、まるで気分のスイッチが切り替わるような感覚。
オンラインショップで見るだけではわからない、
“香りの立ち上がり方”や“自分の感情の動き”を体験できるのが、店舗で選ぶ醍醐味だと感じました。
🌿 ピュアティー(ストレートティー):産地の個性を知る

フレーバードの華やかさとは対照的に、ピュアティーは“茶葉そのものの香り”を楽しむ世界。
特に2025年はインド・ダージリン地方が当たり年とのことで、
店員さんおすすめの2種を香らせてもらいました。
- キャッスルトン農園:青々しいグリニッシュな香り。春摘み特有の爽やかさ。
オンラインストアで売り切れでした。 - ジェンパナ(Jungpana)農園:アーモンドのような甘みが強い。
オンラインストアでは売っていなかったです。店舗なら買える商品もあるようです。

同じダージリンでも全く異なる香りに、紅茶の奥深さを改めて実感しました。
さらに、世界三大紅茶として紹介してもらったのが、
- 中国・キームン(祁門):深煎りのようなコクと香り。
- スリランカ・ウバ:メントールのような清涼感があり、鼻にスッと抜ける心地よさ。
この3種(ダージリン・キームン・ウバ)を順に香るだけで、まるで世界を紅茶で旅しているよう。
香りの方向性がまったく異なるのに、どれも完成された個性がある。
“香りの地図”を手に入れたような感覚でした。
そして、珍しい紅茶として教えてもらったのが、
ニュージーランドの「Maori Noir(マオリ ノワール)」。
自然豊かな環境で1つ1つ丁寧に手摘みされた大ぶりの茶葉で、フルーティーかつ繊細な香り。
新しい産地の紅茶文化を感じられる、記憶に残る出会いでした。
今後の紅茶時代のニューフェイスとして覚えておきたい紅茶になりました。

☕ チャイ・スパイスティー:温かみのある香りの旅

チャイ系のブレンドも数多くあり、
シナモン・カルダモン・ジンジャーなどのスパイスの香りが立ちのぼるだけで体が温まるよう。
アーモンドや杏仁のようなまろやかな香りのブレンドもあり、
まるで“オリエンタルな香りの旅”をしている気分でした。
スパイスの香りは気分転換やリラックスにも最適で、
「香りで一日のスイッチを切り替える」——そんな使い方もできると感じました。
🍑 季節限定ブレンド・フルーツティー:香りで季節を感じる
季節限定のフルーツブレンドも魅力的。
この日はマンゴーを使ったフルーツティーを案内してもらいました。
果実感がありながら上品で、アイスティーにしても美味しいとのこと。

春は「サクラ」、夏は「トロピカルフルーツ」、秋は「マロン」など、
香りで季節を味わう楽しみ方ができるのも、マリアージュ フレールならではの醍醐味です。
☕ 紅茶を選ぶ前に決めておくと良いこと

マリアージュ フレールの店員さんは、皆さんとても話しやすく親切。
ただし、茶葉の種類があまりにも多いので、ある程度の希望を決めておくのがおすすめです。
- 自分用か、プレゼント用か?
- フレーバードか、ノンフレーバードか?
- 朝・午後・夜、どんな時間帯に飲みたいか?
この3つを伝えるだけで、まるでバーテンダーのように、あなたに合う紅茶を提案してくれます。
「午後の仕事に集中したい」「夜寝る前に落ち着きたい」など、
“どんな気分で飲みたいか”を伝えることが、一番の近道です。
🌸 そして出会った「Smoky Sakura」
私が本来探していたのはラプサンスーチョンでした。
しかし店員さんによると、EUでは松の木を燻す際に出る炭が規制対象となり、
現在は輸出が難しくなっているとのこと。
その代わりに紹介されたのが、桜の木で燻した紅茶「Smoky Sakura」。
静岡産の和紅茶をベースにした、まさに日本ならではの一杯です。
香りを嗅いだ瞬間、焚き火のような温かみと深みがあり、
夜にゆっくり飲みたいと思えるような落ち着いた香りでした。
この紅茶については次回の記事で詳しくレビューします。
💬 店員さんの紅茶愛に触れて

店員さんは、ただ茶葉を売るのではなく、
“香りのストーリーテラー”のように、一つひとつの紅茶の物語を語ってくれました。
「この茶葉はどんな土地で育ち、どんな人が作っているのか」
「どうやって香りづけをしているのか」
聞いているだけでワクワクするような時間でした。
オンラインストアではわからない紅茶の物語。
物語に想いを馳せて飲む紅茶には香り・味以外にも新しい世界を創造させてくれます。
さらに、保存方法まで丁寧に教えてくれました。
紅茶は湿度変化・温度変化のない場所が理想的。
暖かい地域で作られるため、常温保管が基本。
冷蔵庫・冷凍庫での保管はNGで、食品の香りが移る原因になります。
キッチンは水回りで湿度が高く、カビが生えるリスクも。
そして印象的だったのは、店員さん自身の工夫。
「私は衣装タンスを紅茶棚にしているんです」
……この発想に驚きましたが、理にかなっています。
香りを守るために“静かな場所”を選ぶという紅茶愛。
私もキッチンではなく、リビングで保管しようと思いました。
紅茶愛に溢れる店員さんから購入する紅茶の特別感は店舗で買うならではです。
🥐 紅茶と合わせたい「THE ROYAL BAKE」のスコーン
お店を出てすぐの場所に、THE ROYAL BAKE(ザ・ロイヤル ベイク)というスコーン専門店があります。
イギリス五つ星ホテルのシェフのレシピをもとに作られた本格的なスコーンに、
ロダスのクロテッドクリームを添えて味わえるとのこと。
プレーンを含む4種類が月替わりで登場するそうで、
紅茶と一緒に楽しめば、まるでロンドンのティータイムを再現できそうです。
🌿 五感で味わう、香りの体験

今回の池袋店での時間は、まさに「紅茶の世界を五感で味わう」ひとときでした。
香り、光、音、会話——
そのすべてが、紅茶という文化を形づくっている。
香りを嗅ぐだけで、心に波が立ち新しい世界が見えてくる。
普段の生活に新しい刺激を入れて、思考を整える。
帰り道、紙袋の中の Smoky Sakura の缶を見つめながら、
「次はどんな香りの旅をしよう」と思わず微笑んでしまいました。
紅茶は、香りで旅をする飲み物。
マリアージュ フレール西武池袋店は、その旅の出発点。
まだ訪れたことのない方も、ぜひ一度“香りの世界”を体験してみてください。
きっと、自分の心にぴったりの一杯に出会えるはずです。






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