はじめに|新年に、やさしい趣味をひとつ
新しい年が始まると「今年は少し暮らしを整えたいな」と思うことがあります。
大きな目標を立てるほどではないけれど、毎日がほんの少し心地よくなったらうれしい。
そんな気分のときに、ちょうどよく寄り添ってくれるのが紅茶です。
私自身、最初から「紅茶を趣味にしよう」と思っていたわけではありません。
もともとはコーヒーが好きで、毎日のように飲んでいました。
ただ、カフェインがきつく感じることがあったり、
一日中飲み続けるのは少しつらいな、と思う瞬間も増えてきました。
そんなときに出会ったのが紅茶でした。
飲み方の幅が広く、香りで気分を切り替えられる。
気づけば、生活の中に自然と溶け込んでいきました。
この記事では、
新年に新しい趣味を始めるなら、なぜ紅茶がおすすめなのかを、
私自身の体験を交えながら、やさしくお話ししていきます。
理由1:紅茶は日常に近く、朝・昼・夜ずっと寄り添う趣味
紅茶が趣味として続きやすいのは、日常に溶け込んで、いつも私たちのすぐそばにあるからです。
普段の生活に新しい時間をつくろうとすると、何かを我慢したり、予定を削ったりする必要があります。
でも、紅茶の場合は特別な時間を用意しなくても大丈夫。
毎日飲んでいる飲み物を、少しだけ「自分の好きなもの」に変える。
それだけで、紅茶のある暮らしは自然と始まります。
朝|1日の始まりを、静かに迎える一杯

朝はまだ体も心も完全に起きていない時間。
そんなとき紅茶の香りを感じると、「あ、朝が始まったな」と自然に思えます。
私の場合、朝はさっぱりした香りのアールグレイを選ぶことが多いです。
中でも好きなのはトワイニングのレディグレイ。
(私の紅茶好きになったきっかけの紅茶になります。)
アールグレイよりも柑橘系の香りがはっきりしていてすっと目が覚める感じがあります。
紅茶はコーヒーほど強くなく、でも確かにスイッチが入る。
このやさしさが、朝の紅茶のちょうどよさだと思っています。
昼|ちょっと立ち止まるための紅茶時間

昼明けは気づかないうちに疲れがたまってきます。
仕事や家事の合間に紅茶を淹れる時間は、「少し立ち止まろうか」という合図になります。
昼はタンニンを多く含むダージリンを選ぶことが多いです。
ほどよい渋みがあって、気持ちをシャキッと切り替えてくれます。
飲み物を変えるだけで、集中のリズムが整う。
そんな感覚も紅茶にはあります。
夜|一日をそっと終わらせる紅茶

夜はもう無理をしなくていい時間。
紅茶のいいところは、夜でも選択肢がたくさんあることです。
ハーブティーやルイボスなど、カフェインを気にせず楽しめる飲み物があります。
※厳密には茶の木から作られたものではありませんが、
夜の時間に寄り添ってくれる存在として、紅茶の延長線で楽しんでいます。
その日の気分に合わせて、香りや味を選べます。
私は、夜にはバニラやキャラメル風味のフレーバードティーや、
すっきりしたセイロンを選ぶことが多いです。
お酒を飲まなくても紅茶があれば満たされる。
そんな夜が増えていきます。
新しい時間を作らなくていいから、続く
紅茶は生活の流れを変えません。
普段忙しい方でもちょっとのリフレッシュに紅茶を入れることができるので日常に溶け込んできます。
朝も、昼も、夜も。
そのときの自分に合わせて寄り添ってくれます。
だから、無理なく続いていきます。
理由2:紅茶を淹れることが生活のテンポをそっと落としてくれる
紅茶は、飲む前から楽しみが始まります。
茶葉の香り、お湯の音、少し待つ時間。
どれも小さなことですが、このひと手間が、気持ちをゆるめてくれます。
香りを感じると、頭の中が少し静かになる

忙しいときほど、考えごとは止まりにくいものです。
それでも、紅茶を淹れて香りを感じている間だけは、ふっと力が抜ける瞬間があります。
香りには、気分を切り替えてくれる力があります。
疲れているときでも、すっきりとした香りで気持ちがリフレッシュしたり、
反対に、ほっとする香りで落ち着いてリラックスしたり。
生活の中に香りを取り入れることは、毎日を少し豊かにしてくれることにつながります。
その一瞬があるだけで、気持ちは少し楽になります。
待ち時間が、心の余白になる

紅茶は、お湯を沸かす時間、茶葉を抽出する時間、
そして、少し冷ましてから飲む時間。
いくつかの「待つ時間」がある飲み物です。
最近は、タイパ(タイムパフォーマンス)が重視される場面も多く、
紅茶のこうした時間は、少し遠回りに感じるかもしれません。
それでも私は、この紅茶の時間こそが、大きなメリットだと感じています。
この「待つ時間」は、私たちをただ待たせるだけではなく、気持ちを落ち着かせてくれる時間でもあります。
何かと急ぎがちな今の時代だからこそ、自分のために立ち止まれるこの時間は、とても貴重です。
待つことそのものを楽しめる。
そんな余裕のある暮らしは、素敵だなと思います。
理由3:お金がかかりにくく、気軽に続けられる
趣味というと、
「お金がかかりそうだな」と少し身構えてしまいますよね。
その点、紅茶は比較的お金のかからない趣味だと思います。
マグカップひとつから始められる

紅茶を楽しむのに、特別な道具は必要ありません。
家にあるマグカップがひとつあれば、すぐに始められます。
私自身、最初はティーバッグと100円ショップのガラス製カップだけでした。
それでも十分に楽しめましたし、「ちゃんと趣味として成り立っているな」と感じていました。
今ではおしゃれなティーカップも持っていますが、大切なのは道具の良し悪しよりも、
自分が心地よく楽しめているかどうかだと思います。
まずは、お手元のマグカップで紅茶を淹れてみる。
それだけで十分です。
月に数千円でも、満足できる
紅茶は、数千円もかけずに楽しめる趣味です。
基本的にかかる費用は、茶葉の購入くらい。
高価な道具を揃える必要はありません。
茶葉の価格帯はとても幅広く、身近なスーパーで手に入るLipton、Twinings、日東紅茶などから、気軽に始めることができます。
そこから少し興味が出てきたら、
KALDIで気になるフレーバーを試してみたり、
成城石井に並んでいる海外でも人気の紅茶に手を伸ばしてみるのも楽しいです。
いろいろ飲み比べてみたいなら、LUPICIAをのぞいてみるのもおすすめです。
紅茶は、本当にいろいろな場所で買えるので、その中から自分のお気に入りを探していく過程そのものも、紅茶の楽しみのひとつだと思います。
高価な紅茶も、1杯で考えると意外と手頃

紅茶には高価なものもありますが、1杯あたりで考えると、意外と手頃だったりします。
スーパーで買える紅茶なら、1杯あたり10〜30円ほど。
最近飲んだ マリアージュフレール の茶葉も、100gで5,000円でしたが、1杯を約3gで計算すると、
1杯あたりはおよそ150円でした。
それを毎日少しずつ飲んでいくので、一度買うと数週間は楽しめます。
紅茶は、買ってからの「持続性」が高い飲み物だなと感じます。
それでも増えていく「積み茶」
ただひとつ悩ましいのは、茶葉が増えて置き場所をとってしまうこと。
いわゆる「積み茶」が増えていくのは、紅茶好きあるあるかもしれません。
それでも、その日の気分に合わせて紅茶を選べる時間は、やっぱり楽しいものです。
少しくらいは目をつぶって、紅茶のある暮らしを楽しんでいきたいなと思います。
大切なのは「どう味わうか」
紅茶は、高いか安いかよりも、どう味わうかが大切な趣味です。
産地も、インドやスリランカ、中国などさまざま。
さらに加工方法の違いによって、味や香りも変わります。
「自分はどんな紅茶が好きなんだろう」と、少しずつ探検していく。
その過程そのものが、紅茶の楽しさなのだと思います。
紅茶は、そんなふうに無理なく、長く付き合っていける趣味です。
理由4:紅茶は、知るほど楽しくなる趣味でもある

紅茶の魅力は、飲んで楽しむだけではありません。
知れば知るほど、面白さが広がっていくところも、紅茶の大きな魅力だと思います。
私自身、現在 紅茶検定 の勉強をしていますが、
その中であらためて感じたのは、紅茶には「学ぶ楽しさ」がしっかりあるということでした。
紅茶は、世界でいちばん飲まれている飲み物
突然ですが、
紅茶が世界で最も飲まれている飲料のひとつだということをご存じでしょうか。
歴史をさかのぼると、安全に飲める水を手に入れることは、決して当たり前ではありませんでした。
紅茶が広まる以前は、水の代わりにアルコールを飲んでいた時代もあったそうです。
この話を知ったとき、
私自身も「昔の人たちは、どうやって飲み水を確保していたんだろう?」と気になり、
つい調べてしまいました。
紅茶は、ただの嗜好品ではなく、
人々の暮らしを支えてきた飲み物でもあったのだと思うと、一杯の見え方が少し変わってきます。
歴史を知ると、一杯の重みが変わる
紅茶には長い歴史があります。
紅茶はかつて金と同じくらい価値のあるものとして扱われていた時代もありました。
その貿易格差から生まれたのがアヘン戦争であり、
紅茶への高い関税をきっかけに起きたのが、アメリカ独立の第一歩とも言われるボストン茶会事件です。

こうした出来事を振り返ると、
紅茶が歴史の中で果たしてきた役割は、決して小さなものではなかったと感じます。
いつも何気なく飲んでいる紅茶が、少し重みのある存在に感じられるようになります。
想いを馳せて飲むと、味わいが深くなる
紅茶の香りや味わいを楽しむこと自体も、とても素敵です。
でも、そこに歴史や背景を少し重ねてみると、
同じ紅茶でも、感じ方が変わってきます。
「この紅茶は、どんな時代を経て、今ここにあるんだろう」
そんなことを思いながら飲む一杯は、味わいも、時間の流れも、少しゆっくりになります。
紅茶は、飲んで終わりではなく、知ることで、何度でも楽しめる趣味。
そういう奥行きがあるところも、紅茶の魅力のひとつだと思います。
まとめ|紅茶は、暮らしをやさしく整える趣味

紅茶を趣味にすることで、普段の生活にそっとプラスアルファが生まれ、
気持ちに余裕ができたり、日々に小さなメリハリがついたりします。
私はまだ、紅茶にとても詳しいというわけではありません。
それでも、紅茶の奥深さにすっかり魅了された一人です。
同じ紅茶が好きでも、
その日の気分や体調によって飲みたい茶葉が変わる。
「今日はこれかな」と選ぶ時間があること自体が、紅茶のおもしろさだと感じています。
新年から、少しだけ生活に紅茶を取り入れてみる。
そんな新しい趣味として、紅茶をおすすめしたいと思います。
ただ、「今日は紅茶にしようかな」と思えること。
それだけで、生活は少しやさしくなります。
新年に始めるなら、そんな穏やかな趣味があってもいい。
紅茶は、自分の暮らしを、そっと大切にするための習慣です。






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